カジカの概要
項 目 | 詳 細 |
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名 前 | カジカ |
分 類 | スズキ目カジカ科カジカ属 |
学 名 | Cottus pollux |
分 布 | 北海道南部以南の日本各地 |
形態・特徴
形態
成魚は体長20cmほどになり、雄の方が雌よりも大きい日本固有種。体色は黒褐色で紡鐘型をしている。「カジカ」という名前,は、古くは体から発する鳴き声のような音が川に生息するカジカガエル(河鹿蛙)に似ていたからという説や、身が鹿肉のようにおいしいから、などという説に由来する。
異名
各地域で他のハゼの仲間とともに、「ゴリ」、「ドンコ」と呼ばれている。
特徴
生態によって2種類に分けられ、生涯を通して河川に生息するものは卵が大きいことから「大卵型」、淡水で産卵、孵化すると川を下って河口付近で生息し、成長すると再び遡上するものを「小卵型」と呼ぶ。大卵型は川の上流域に生息することが多く、小卵型は川の中流から下流域にかけて生息する。肉食で小魚や水生昆虫、甲殻類、ミミズなどを捕食する。泳ぎがあまり得意ではないので、流れが緩やかな場所で川底を這うようにして泳ぐのが特徴。それらの生態を利用した、川底に固定した網に強引に追い込んで引き上げる漁法「ゴリ押し漁」が、強引にことをすすめることのたとえでよく使われる「ゴリ押し」という言葉の語源になっているとも言われる。
可食部は少なく、鮮度が落ちるのも早いが、山間部では貴重なタンパク源として重宝されてきた。
旬
漢字での表記「鰍」からみてもわかるように歳時記の季語は秋に分類されるが、旬は産卵が終わった6月~12月頃。
多く含む栄養素
タンパク質と脂質が主成分となっていて、脂質はオメガ3脂肪酸であるEPAとDHAを多く含む。EPAには血液をサラサラにする効果、DHAは認知機能の低下を抑制する可能性がそれぞれ期待されている。
食感
見た目はあまりよくないが、風味はよい。身はクセがなく淡泊。カジカの身と骨からはよい出汁がでるので、味噌汁や鍋ものにうってつけ。
調理法
焼く
カジカ酒(ごり酒)
焼枯らしたカジカをもう一度炙り、そこに熱燗を注ぐ。
煮る
カジカ汁
北海道の郷土料理。肝を取り分け、ぶつ切りにしたカジカを水と火にかけ、出汁を加えたところに肝をすり潰しながら溶かす。大根、ニンジン、ジャガイモを加え、具材が柔らかくなったら白みそを入れる。